子育て世代もシニア世代も活気あふれる街、たまプラーザ。この街を陰日向で支えているのが、駅を中心に広がる3つの商店街。“ウェルビーイング”な街づくりに積極的に取り組んでいます。
そこで、3つの商店街の会長さん方に集まっていただき、街づくりにかける想いやウェルビーイングの取り組みについてお話を伺いました。
「一社)たまプラーザ中央商店街」会長 松本 茂さん、「たまプラーザ駅前通り商店会」会長 小松礼次郎さん、「たまプラーザ商店会」会長 朝香 好平さん。「たまプラーザ連合会」の名称で3商店街協力して取り組んでいる活動も多い。
大型店vs個店の対立から
「we love tamaplaza」結成へ
――狭いエリアに3つもの商店街を擁し、協力し合って街を盛り上げているイメージがありますが、このエリアの商店街の成り立ちについて教えてください。
松本さん(以下敬称略):田園都市線の溝の口駅から長津田駅までがつながったのが昭和41年。当時はイトーヨーカドーも東急百貨店もなく、個店だけ。南口側は第一種低層住居専用地域ということで商業的な建物が長い間建たず、北口のほうにどんどん建物ができている状態でした。そのなかで、そこで少しずつ商店街が形成されてきました。
小松さん(以下敬称略):発足したのは、一社)たまプラーザ中央商店街、たまプラーザ商店会、たまプラーザ駅前通り商店会の順ですが、ほぼ同時期だったと聞いていますね。
松本:昭和54年、イトーヨーカドーがオープンし、その3年半後に葉東急百貨店がオープンします。
――いまのたまプラーザを代表する商業施設が揃うわけですね。
でも、イトーヨーカドーがオープンするとなったとき、結構、反対運動があったんですよ。商店街としては、大型商店が入ってくることによって個店がきついんじゃないか、つぶれてしまうんじゃないか、という不安がありましたから。ただ、これによって商店主同士がよりまとまったというか、商店街の結束ができてきたということがありますね。
松本:東急百貨店ができる前は、夏祭りなどは駅前でやっていたんです。当時は商店会と美しが丘連合自治会が協力して実施していましたが、そこに大型店が入ってきたわけです。最初は軋轢や確執もありました。でも、街を盛り上げたいという気持ちは大型店も一緒。やはり小売店だけだと街の発展は難しいし、逆に大型店だけでも単一的になってしまいます。そこで次第に、商店会、自治会、大型店が次第に連携するようになっていきました。
そして現在では、「we love tamaplaza」という組織を立ち上げ、桜まつりや夏まつり、冬のイルミネーションなど、年間を通してさまざまなイベントを開催するまでになりました。
「 we love tamaplaza 」を合言葉に、たまプラーザ周辺の9つの企業や団体が集結。
――これらのイベントが盛り上がるのもみなさんが連携して大きなまとまりとなって地域を盛り上げているからなんですね。
松本:そうですね。それはすごく大きいと思います。「この街をよくしていきたい」という想いで一つになっているのは間違いありません。当時のイトーヨーカドーの店長さんも、ほかの大型店と組んでイベントをやる、さらに商店街、住民も連携して…、という形は、全国的にみても聞いたことがない、と言っていましたね。
小松:さらにこの組織はイベントをやるときには実行委員を地元の人にお任せして商店会としては後援という形で後押ししています。もちろん、商店会も実行委員会に入ることもありますが、一貫して住民発の企画を応援するというスタイルをとっているところも特長です。
<クリスマスツリー点灯式>
クリスマスツリーの点灯式。ダンスやコーラスなども披露されます。
<夏まつり>
夏まつりは各会場で多くの出店やステージイベントがあり、とてもにぎわいます。
<ちょい呑みフェスティバル ちょい飲み>
「ちょい呑みフェスティバル」は商店街のいろいろなお店で1ドリンク&1フードの「はしご酒」を楽しめる飲み歩きイベントです。
――商店街をはじめ、この街を盛り上げようという地域の方々の意識の高さが、このたまプラーザの魅力につながっているんですね。
【Vol.1~3 全ての記事】
Vol.2 たまプラーザ商店街へようこそ!~商店街から発信する“ウェルビーイング”~
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