この街「よこはま」で私らしく暮らす
ウェルビーイングLifeを実現する舞台「よこはま」の暮らしについて、山中竹春 横浜市長にお話を伺いました。
あらゆる世代が自分らしく暮らせる「人にも環境にもやさしいまち」へ
今回は〝よりよく自分らしく生きる〞という「ウェルビーイング」をテーマにしていますが、山中市長は「ウェルビーイングな街」をどのように捉えられていますか。
「ウェルビーイングなまち」というのは、あらゆる世代の市民のみなさまが、安全で安心して自分らしく暮らせる、そしてサステナブルな「人にも環境にもやさしいまち」だと思います。その実現を目指して、防災・減災や、防犯対策、総合的ながん対策、子育て支援、環境にやさしい社会を目指す取り組みなど、さまざまな施策を全力で進めています。
まずは、安心して暮らしていくための防災や防犯の取り組みについて教えてください。
いつ起こるかわからない大規模地震から市民のみなさまの命と暮らしをお守りするため、地震防災対策を大幅に強化します。まず、発災時の住宅火災を防ぎ、ご自宅の安全性を確保するため、約11万戸の重点対策地域では感震ブレーカーと家具転倒防止器具の設置費用を全額補助し、設置率を80%にまで引き上げます。
避難所となる小・中学校の体育館の空調設置と学校トイレの洋式化を大幅に前倒しし、一気に完了させます。また、避難所に備蓄する飲食料を、2食×1日分から3食×3日分に増やし、介護食(流動食・きざみ食)やプライバシーを確保できるパーティションなども新たに配備します。
さらに、大規模災害時に物資や応援部隊の受け入れの要となる本市初の「広域防災拠点」を整備するなど、ハード・ソフトの両面から、取り組みを一気に進めていきます。
また、最近は、強盗や特殊詐欺などの発生に不安を感じている方も多いと思いますので、地域のみなさまが行う防犯パトロールや防犯用品の購入、センサーライトの整備などへの緊急的な補助を実施します。また、地域の防犯カメラの設置への補助を拡充し、安全・安心な暮らしをお支えしていきます。
がん対策についてはいかがでしょうか
2人に1人が、がんにり患する時代ですので、あらゆる世代の「総合的ながん対策」に力を入れていきます。がんの早期発見・早期治療のためには、定期的にがん検診を受けていただくことがとても大切です。そのために、65歳になった方のがん検診を無料にするとともに、70歳以上の方のがん検診後の精密検査を無料にしました。
また、女性に多いがんについても、新しい取り組みを始めています。子宮頸がん検診では、全国に先駆けて、30歳から60歳の方にHPV検査単独法(※)を導入しました。これまでの方法に比べて検査の負担が減りますし、検査後もきめ細かくフォローする仕組みになっていますので、より多くの方に検査を受けていただきたいと思っています。
※HPV検査単独法 :がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかどうかを調べる検査。結果が陰性の場合、次の受診は5年後となり、これまでの2年間隔の細胞診検査に比べて、受診負担の軽減が図られる。
山中市長が力を入れている子育て支援策についても教えてください。
これまで、子どもの医療費の無料化や政令市初の出産費用の独自助成、いよいよ来年、2026年4月から始まる中学校での全員給食に向けた準備など、子育て世代のみなさまの声に応える取り組みを着実に進めてきました。
来年度は、必要な時にお子さんを安心して預けられる、「預けやすさ」を実感いただけるよう、商業施設での短時間預かりや、地区センターでの一時預かりプログラムなどを新たにスタートします。昨年リリースした自治体初の総合的な子育て応援アプリ「パマトコ」は、家庭と学校の連絡システム「すぐーる」や放課後キッズクラブ等の出欠連絡のシステムとも連携し、さらに便利になります。
▲自治体初の総合的な子育て応援アプリ「パマトコ 」
昨年の夏休みにモデル実施した市内565か所すべての放課後キッズクラブ等での昼食提供は、保護者の約96%から「ゆとりを実感した」と回答いただきました。来年度は、夏休みに加えて冬休みと春休みにも実施します。
また、横浜の子どもたちが、国際社会で活躍できるコミュニケーション力やリーダーシップを身につけられるよう、全国トップレベルの、横浜ならではの英語教育にも力を入れています。
4月から小学校の英語指導助手を大幅に増員し、オンラインも活用することで、すべての小・中学校で毎日「生きた英語」を学ぶことができる、全国でも珍しい環境となります。留学にチャレンジしたい高校生向けの留学支援も拡充しますし、市立保育所で早期から英語体験ができる取り組みもモデル実施します。
▲入学後すぐに「生きた英語」に触れられる全国でも稀な環境
2027年に横浜・上瀬谷で開催される「GREEN×EXPO 2027」は、私たちの暮らしにどう関わってくるのでしょうか。
近年、厳しい暑さや集中豪雨、短くなる春秋、強い寒波など、温暖化の影響と考えられる現象が、私たちの生活にも大きな影響をおよぼしています。「気候変動」という、私たちの日常生活にも深く関わる課題を解決するためには、CO₂削減を含む「環境への負荷を減らす生活」や「地球と共に生きるエコなくらし」の実践が必要です。
2年後に開催するGREEN×EXPO は、気候変動の課題を共有し、その解決に向けたアクションを起こしていく国際博覧会です。会場では、環境負荷を減らす最先端技術に触れたり、子どもたちが遊びながら環境にやさしい循環型社会の大切さを学んだり、生物多様性に支えられた食と農がつながる暮らしを体感したりでき、市民参加プログラムも企画しています。
地球環境を次世代へと引き継ぐ価値が再認識されるようなEXPOにしたいと考えていますので、ぜひご期待ください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
これからも、一つ一つの取り組みを着実に実行し、その成果を市民のみなさまにしっかりとお届けできるよう、力を尽くしていきます。
(2025年2月 取材)
※令和7年度予算(議会審議中)の内容が含まれます。