子育てが一段落したら、子ども中心の生活から、夫婦2人の生活が始まります。ライフスタイルの変化に伴い、生活空間を見直す機会も増え、リフォームへの関心も高まる世代です。そんなおとな夫婦が実際にリフォームを考える際に知っておくべきこと、人気のリフォーム術などのをお話をプロにうかがいました。
子育て中心の生活から大人だけの生活空間へのアップデート
日常の生活空間を「コミュニケーションの場」にアップデート
Case1 オープンキッチンで大人コミュニケーションの場づくり
まず、もっとも多いご相談がキッチンリフォームです。友人を招いてパーティーやティータイムなどを楽しみたいという方が多いですね。従来型のキッチンは、料理中のキッチンカウンターやシンクの洗い物などを隠す傾向が好まれましたが、今はオープンキッチンが主流です。
お客様をもてなすというより、ホストである自分たちも含め、皆で楽しい時間を過ごせる空間として、キッチンがリビングと一体化している「リビングキッチン」を好まれる方が増えています。子どもが成長すれば、親と子も大人同志の関係へと変化します。
男性も積極的にキッチンに立つ時代
キッチンは女性の聖域と言われた時代からすっかり様変わりして、進んで料理を楽しむ男性が多くなり、夫婦でキッチンに立ちたい、奥様に手料理をふるまいたいというご主人が増えています。
そんな方々からは、システムキッチンの高さを高めにしたり、レシピ動画を見られるようにコンロの脇にiPadなどのタブレット端末を設置できるニッチスペースを設けたいというご希望があります。
プライベート空間の確保で夫婦円満に
Case2 夫婦それぞれのニーズを叶える「自分スペース」づくり
リモートワークの普及によって、夫婦ともに過ごす「おうち時間」が増えたことで、それぞれの仕事や趣味に活用できるスペースが欲しいというご相談が増えました。リビングの一画にパソコン作業ができるカウンターを作ったり、納戸に書棚を取りつけて書斎(仕事部屋)にしたり。元の間取りのまま、ちょっと手を加えるだけでプライベート空間を確保する、比較的簡単なリフォームが人気です。
Case3 よりよい睡眠を実現する「自分だけの寝室」づくり
夫婦のお互いの生活リズムが異なるので、先に寝ている妻・夫を起こさないように気を遣う、夫の歯ぎしりやいびきがうるさくて眠れないなどの理由から、年齢が上がるにつれ寝室を分けたいと考えるご夫婦が増えており、60代では半数くらいの方は夫婦別寝室を希望されます。
お互いに自分の生活リズム、特に睡眠時間は大切にしたいですよね。このようなご相談には、寝室の真ん中に引き戸を付けて区切るリフォームをオススメしています。眠るときは閉めて、気配を感じたいときは一つの部屋に。
寝室に限らず、壁の代わりに引き戸で部屋を分けるリフォームは、状況に応じて間取りが変えられるので好評です。