ここ数年で、ペットと出会う選択肢として認知されてきた「保護犬や保護猫を迎える」という方法。
興味はあるけれど、どうやって団体や施設を探したら良いかわからない人もいるのでは?
そこで、横浜市青葉区で保護猫カフェ『キズナ』を営む飯倉妃美子さんにお話を伺いました。
保護動物を預かる「譲渡」は社会貢献にもつながる
田園都市線「たまプラーザ」駅からほど近い場所にある『アトリエ&カフェ キズナ』は、障害者支援やグループホームの運営とともに、犬や猫、爬虫類や小動物の保護活動を行う施設。
1階に保護猫カフェ、ドッグカフェを併設しており、現在約30頭の猫と15頭ほどの犬とふれあうことができます。
ここにいるのは、何らかの理由で行き場をなくし、オーナーの飯倉さんによって保護された犬や猫たち。保護猫カフェ、ドッグカフェでそれぞれ暮らしながら里親として飼い主が現れるのを待っています。
まず保護猫カフェに入ってみると、好奇心旺盛な数頭が近寄ってきて、クンクンとにおいチェック。
遠目から様子を窺っている子もいますが、猫たちと距離を縮めるのにさほど時間はかかりません。
撫でたり、抱っこしたり、話しかけたり。妙に懐いてくる子や、相性の良さを感じる子もいて、そんな出会いがあれば「譲渡」の希望を伝えて、手続きに入ることが可能です。
飯倉さんとの面接や住まい状況の確認、一週間ほどのお試し飼育の期間を経て、問題がなければ無事に譲渡完了となります。
「譲渡後も、飼い主さんから動画や写真で経過報告していただくことがあるんです。カフェにいたときとは雰囲気が変わって、すっかり家猫になった姿を見ると『いい飼い主に出会えて良かったなぁ』と思いますね」と飯倉さん。
一方、ドッグカフェにはトイプードルやミニチュアダックスフントなど、血統種がいるのもこちらの特徴。
ペットショップの倒産で引き取り手がない子や繁殖を引退した親犬などを引き取っているためで、血統種や小型犬を探している人にはいい出会いがあるかも。
カフェではドリンクを飲みながら、犬・猫たちと一緒の時間が過ごせます。保護猫、犬を飼うことを検討するとき、まずはこうしたキャットカフェ、ドッグカフェで動物たちとふれあってみることで、保護動物や譲渡への理解や学びが深まるはずです。
ぜひ一度、足を運んでみてください。
譲渡の手順
STEP1アンケートによるヒアリング
引き取りたい猫、犬が決まったらアンケートに回答し、譲渡の条件などの説明を受けます。
STEP2住まいの環境確認
飼育育環境確認のため、飯倉さんが飼い主の自宅を訪問、あるいは動画で室内を確認します。
STEP3トライアル飼育(約1週間)
正式譲渡の前に、お試しの飼育期間を設けています。環境が変わることでストレスがかかっていたり、トラブルが起きた場合に返却できる期間でもあります。
先住動物がいる場合も、お互いの様子を観察して相性が合いそうか確認できます。
STEP4譲渡契約
トライアル飼育で問題がなければ正式に譲渡となります。